光線角化症(日光角化症)
光線角化症または日光角化症(Actinic Keratosis、AK)は、皮膚の角質層に発生する皮膚疾患で、通常は紫外線暴露の長期間にわたる影響によって引き起こされます。顔面や手背の露光部に直径数ミリ~1cm程度の淡紅色の紅斑性局面を形成することが多く、鱗屑や痂皮を伴う場合もあります。境界は不明瞭なことが多いです。
光線角化症は、表皮内有棘細胞癌ととらえられており、放置すると悪性腫瘍である有棘細胞癌に進行するリスクがあります。なので、治療法としては悪性腫瘍の治療に準じた方法で治療を進めていく必要性があります。
光線角化症の主な治療法は以下の通りです。
液体窒素凍結療法(Cryotherapy): 患者への不安や部位などを考慮した場合、まず液体窒素を使用して病変を凍結し、角化した組織を破壊する方法を試みる場合があります。これにより病変が脱落し、健康な組織が再生することを期待します。
薬物療法: 光線角化症を治療目的としてこう悪性腫瘍薬外用をすることがあります。これらには5-フルオロウラシル(5-FU)、ブレオマイシンなどが使用されます。
手術療法: 光線角化症は基本的には悪性転化の可能性のある病態なので、状況が許す限り手術による治療をおすすめしています。これは、切除により完治を目指す方法で、部位や大きさによっては、植皮や局所皮弁などの再建術が必要になる場合があります。
治療法は病変の種類、大きさ、部位、および進行段階などを総合的に勘案し、最適な治療法を選択します。光線角化症の早期発見と治療は、扁平上皮癌への進行を防ぐのに役立つため、早めに対処することが重要です。