グロムス腫瘍
グロムス腫瘍(Glomus tumor)は、グロムス細胞の増殖による過誤腫と考えられており、比較的まれな良性腫瘍の一種です。
グロムス腫瘍は通常、皮膚の下に発生し、手や足の爪甲の下などに多く見られます。
グロムス腫瘍は痛みを主要な症状とする腫瘍の一つです。触れると鈍い痛みや時に鋭い痛みを引き起こすことがあり、特に触発性の疼痛を伴うことがあります。また、痛みの増強を伴うことがあります。
グロムス腫瘍は一般的に良性であり、がんではありません。
通常、グロムス腫瘍は成長が非常に緩慢であり、数ミリメートルから数センチメートルまでの範囲でサイズが変化します。
グロムス腫瘍の治療は、一般的には症状の重症度や腫瘍の位置に依存します。
グロムス腫瘍が痛みを引き起こし、症状が重度である場合、外科的な切除が行われることがあります。例えば爪の下などにある場合は指全体をブロック麻酔し、爪甲をいったん取り外し腫瘍を摘出するなどの方法が必要になります。その際、爪床を傷つけないように注意する必要があります。顕微鏡下での手術が必要になることもしばしばあり、術後の疼痛管理の観点などから入院での治療が望ましい場合もあります。
小さなグロムス腫瘍や症状のない場合、経過観察が行われることがあります。その場合、定期的な診察などを通じて腫瘍の成長を観察し、症状が進行していないかなどを含め確認します。
このように治療法は、その症状と性質に応じて異なりますので、専門医との相談を通じて、最適な治療プランを決定することが大切です。また、グロムス腫瘍の治療後も、再発のリスクがあるため、定期的なフォローアップが重要です。